数学はしっかり考えて|高鹿ブログ
最近はすっかり社会や国語より数学を教えています。高鹿です。
で
数学って何に役に立つの?なんて聞かれますけど・・・うーん、確かに基本の計算は役に立つけど二次関数や高校数学は確かに何の役に立つんだろうって悩むときもあります。確かになぁ、普段だと基本計算や割合あたりができればいいか、あとは確率とか?他には・・・
でもね
数学を学ぶことで世界を知るって楽しさもあるとこの本を読んで思い知らされました。
『数学する身体』森田真生
若干30代の作者が「数学」という巨大な山を登ろうとする評論です。とくに第2章は白眉。数学者の歴史を描きながら彼らが「どんな山を登っていったか」がわかります。なるほど、数学とは「世界を知るたくらみ」だったのかなと思います。
そして美しい世界の構築こそが数学の真骨頂なのではないか。
作者は身体の拡張としての数学を、そしてそこから自由になり、更には最後身体に戻る数学の世界を描きます。そこにあるのは数学でなく哲学なのかなと思うのです。これ読むと「何に役に立つの?」なんて疑問が馬鹿らしくなります。
なぜ山に登るの
なぜスポーツをするの
なぜ模型を作るの
そんな疑問に対し答えるのが馬鹿らしいでしょ。そう、数学は勉強であると同時に「芸術」なのかもしれません。出来たら嬉しい、解けたら嬉しい。そんなものなのかもしれませんね。
まず数学を楽しんでみましょうよ。そんな作者の語りかけがしみいる本でした。数学からチューリングの暗号解読に飛びさらには岡潔から松尾芭蕉にまで行くこの本(松尾芭蕉と数学なんて!)。とってもスリリングな知的楽しみにとんだ本です。ぜひお試しあれ。
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